「Googleの作り方」を書くことの難しさ、そして期待

それにしても、「ウェブ進化論」と本書を見ると、もう一冊足りないことも見えてくる。(略)「具体的にGoogle、とまでは言わぬまでもWeb2.0的サービスはどう作るのか」という工学的な一冊である。それがないと、 Googleは未だに「魔法」の域を出ないのだ。

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Googleの作り方」を書くのは難しいだろうと思った。それは検索エンジンを作ったことのある人間が殆どいないからだ。プログラムを一度も作ったことの無い人間がプログラムの作り方を書けないように、おもちゃでもよいから検索エンジンを作った経験がないと、Googleの作り方はまず書けない。

話の前半で話題になったのは、「深い技術」と「浅い技術」についてである。今の日本のネットでは、「深い技術」の大切さを知る人たちが少ない、というのがこの人の主張と嘆きだったかと思う。

浅い技術、深い技術と教育・IT産業、そしてより深い技術 - wizardofcrowdsの日記

しかし、もし、「Googleの作り方」が出版されたならば、日本での「深い技術」に対する認識が変わると思う。「深い技術」が重要視されない原因の一つは、「深い技術」がブラック・ボックスになっている為である。「深い技術」で何が出来るのか、そして、何が出来ないのかが認知されない限り、「深い技術」が適切に評価される日はこないと思う。自分でプログラミングはしない人でも、プログラミングで何が出来るのかを知っている人は多いだろう。それと同じように、自分で「深い技術」を開発はしない人でも、「深い技術」で何が出来るのかを知っている人が増えればと思う。