ニコニコ動画は動画検索におけるGoogleになり得るか?

ニコニコ動画は動画検索におけるGoogleになり得ると思う。GoogleがWebページ検索において革命的であったのは、重要なのはページそのもの内容ではなく、Webページに対するアノテーション、つまり、リンクであることに気が付いた点である。そして、ニコニコ動画のコメントは、Webページのリンクと同じ性質を持っている。

ニコニコ動画のコメントとWebページのリンクで類似している点は次の3点である。

これらの3つの特徴をリンクが持つため、Web検索ではページそのもの内容よりも、リンク(アンカーテキスト)の方が重要視される。同様に、ニコニコ動画のコメントが、動画検索においても最も重要なデータになる可能性はあると思う

門外漢ではあるが、従来の動画検索手法では、動画そのものを解析する手法が主流なように思える。例えば、動画の色・カメラ操作・音声などの情報を解析して、盛り上がっているシーンを検出するなどである。しかし、ニコニコ動画ならば、高度な動画処理技術を使わなくても、コメントの多いシーンを抽出することで、盛り上がりシーンを高精度に検出できるだろう。また、野球の動画からホームランのシーンを探し出すのは、動画そのものの解析では困難であろうが、ニコニコ動画のコメントを使えば、このような技術を簡単に実現できそうである。単に、「ホームラン」のコメントが大量に付与されたシーンを提示するだけで十分そうである。

まだ多くの課題が存在すると思うが、ニコニコ動画のアプローチは動画検索に革命を起こし得ると思う。そして、動画検索に革命を起こせれば、検索結果に広告を付けることで、投稿動画の問題点の1つであるビジネスモデルも解決できるかもしれない。つまり、サービス提供者は、動画を投稿し、閲覧者が各シーンにコメントできる場を提供する。そして、投稿されたコメントを利用して、高精度な動画検索サービスを構築する。さらに、この検索サービスで検索連動型広告を展開することで運営費を回収する。ただ、動画検索で検索連動型広告を打って、どれだけクリックされるかについては疑問点が残るところだが。