ページランクなんて飾りです

ページランク検索エンジンの精度向上に直接は役立たない。なぜならば、ページランクはページの人気を表す指標だからだ。キーワードが出現したページを人気の高い順に並べても、適切な検索結果は得られない。例えば、日本で最も人気の高いページの1つ、Yahooのトップページには「東京」の文字があるが、「東京」で検索してYahooのトップページを検索したい人はそういないだろう。

検索エンジンの精度向上で、最も重要とされるのがアンカーテキストである。具体的には、検索キーワードでよくリンクされているページを、検索結果の上位に表示する。例えば、「東京」という文字で頻繁にリンクされるページを、「東京」での検索結果の上位に表示する。すると、検索精度が大幅に向上することが知られている。

参考:検索エンジン2005 -Webの道しるべ-(情報処理学会誌) - Cafe Babe

ページランクとアンカーテキストの大きな違いは、前者がグローバルな人気度なのに対して、後者はローカルな人気度である点である。Webページも、検索キーワードも、ユーザが検索したい情報も、いずれも非常に多種多様である。そのような世界でグローバルな指標が役に立たないのは明らかである。

それでは、なぜ、ページランクはこれほどまでに有名なのだろう?それは、Googleマーケティング戦略によるものだと思う。検索エンジンは技術の宣伝が難しい分野である。技術の特徴を、分かりやすい言葉に置き換えるのは難しく、また、アルゴリズムの公開は敵対者やスパム業者を利することになる。そこで、Googleは、PageRankという、Web Pageと創業者のLarry Pageを掛け合わせた秀逸なネーミングを持つこのアルゴリズムを、自社の技術の宣伝材料の核としたのだと思う。そして、それは大成功を収め、他社に対して大きな利点となった。Googleの検索精度が高い理由には、誰もがページランクを挙げる。しかし、Yahooの検索精度が高い理由は、誰も説明できない。

つまり、ページランクは優秀なアルゴリズムでもあるが、なによりもブランドなのである。